VQ3007レビュー2〜実写

Taken with a Rolleiflex MiniDigi & VQ3007

【写真】VistaQuest VQ3007を朝焼けの空を背景に撮影。

VQ3007レビュー1〜外観編」に引き続き、実写・機能編をお送りしたいと思います。

最近こんなんばっかですが。

一応このブログは「MiniDigi Photo Life(ミニデジフォトライフ)」なので(笑)、ミニデジと比較しながらご紹介します。

VQ3007レビュー2〜実写編(ミニデジとの比較つき)〜

ミニデジとの比較をしながらご紹介させていただきますが、例によって構図が微妙にズレてますので、、、その旨あらかじめご了承ください。。

また、オリジナルサイズの画像はFlickrで見られるようになっていますので、各画像下の「View on Flickr」からご覧下さい。

※ミニデジは2004年リリースの旧バージョンです。AF5.0ではありません。

1.室内(リビング)

まずは身近なところから。
以前に、ミニデジとVQ1005で比較撮影した時と同じような結果になりました。

【写真】ミニデジで撮影した室内(リビング)
Living Room (MiniDigi)
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【写真】VQ3007で撮影した室内(リビング)
Living Room (VQ3007)
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2.早朝の空と電線

空は身近な被写体ですし、結構カメラによって特性が出やすいので、早朝5時くらいに撮ってみました。
朝焼けなので、微妙に赤みがかった空なのですが、ミニデジは例によってそんなのお構いなし(笑)。
一方、VQ3007は、VQ1005のように、ちょっとアンダー気味で赤味がかった描写をしました。

【写真】ミニデジで撮影した早朝の空と電線
Electric wire (MiniDigi)
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【写真】VQ3007で撮影した早朝の空と電線
Electric wire (VQ3007)
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3.庭木越しの団地

これも早朝に撮影。ミニデジとVQ1005の比較撮影をしたときに、植物の緑の描写に結構違いが見られたのでVQ3007でもやってみましたが、予想と正反対の結果になりました。。
もちろん全く同じではないのですが、ミニデジがVQ1005のように、VQ3007がミニデジのような傾向になってます。

【写真】ミニデジで撮影した庭木越しの団地
Garden plant (MiniDigi)
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【写真】VQ3007で撮影した庭木越しの団地
Garden plant (VQ3007)
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4.浅草伝法院通り

ほおずき市を見物がてら浅草に行った時に撮影。18時過ぎなのですが、どちらも昼間のようなカンジです(笑)。
VQ3007は青みがかった描写をしています。

【写真】ミニデジで撮影した浅草伝法院通り
Denbouin-dori (MiniDigi)
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【写真】VQ3007で撮影した浅草伝法院通り
Denbouin-dori (VQ3007)
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5.浅草寺本堂

これもほおずき市を見物がてら浅草に行った時に撮影。浅草寺の本堂です。
ちなみに、VQ3007の方は狙ってこのような写真にしているわけではありません。失敗です、ハイ(笑)。
ミニデジと同じように撮るつもりだったのですが、「VQ3007レビュー1〜外観編」のところでシャッターボタンと音に関して書いたように、撮影完了のタイミングがわかりづらいため(周囲の音がうるさくて音が聞こえなかったですし)、動かしてしまったためにこうなりました。。こんなのを何枚も量産してます(笑)。

【写真】ミニデジで撮影した浅草寺本堂
Sensoji Hondo (MiniDigi)
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【写真】VQ3007で撮影した浅草寺本堂
Sensoji Hondo (VQ3007)
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6.浅草寺五重塔

同じくほおずき市を見物がてら浅草に行った時に撮影。左側に写ってる屋根は宝蔵門です。
VQ1005は赤を強調する特性があり、VQ3007も同じような特性があるのかと思ったのですが、これらの写真を比較してみると、ミニデジの方がVQ1005に近い描写をしています。う〜む。

【写真】ミニデジで撮影した浅草寺五重塔
5-Story Pagoda (MiniDigi)
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【写真】VQ3007で撮影した浅草寺五重塔
5-Story Pagoda (VQ3007)
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VQ3007レビュー2〜実写編(ミニデジとの比較つき)まとめ〜

1.VQ3007の描写について

「1.室内(リビング)」や「2.早朝の空と電線」を見る限りでは、VQ3007はVQ1005に近い描写をするように感じられました。

しかし、「3.庭木越しの団地」や「6.浅草寺五重塔」を見ると、明らかにVQ1005ともミニデジとも違う描写特性を感じます。

VQ1005とは違うことをわかった上で買ったので、別にVQ1005と違っていても何も問題はないのですが、ここまで違うということは、改良とかではなく、全く新しい(別の)画像エンジンのような気がします。

VQ1005に比べて全体的な描写特性が掴みにくい、ある意味面白いカメラという印象ですが、VQ1005との違いで気付いた点をざっと列挙してみます。

  • 画像が異様にシャープな時がある。ハロー効果が見られるほど。
    【写真】VistaQuest VQ3007で撮影した電線。ハロー効果が見られます。
  • VQ1005は安定してアンダー気味の描写傾向だったが、VQ3007にはそれが見られない(アンダー気味の時はある)。
  • 植物の緑を鮮やかに描写。
  • 青みがかった描写をすることがある。

シャープ過ぎる時があるのはちと気になりますが、個人的には、特別好きというワケではない(笑)ものの、決して嫌いでもないです。

全般的には、VQ1005やミニデジと比べておとなしめの描写のように感じますが、でも、トイカメラらしさは残っていると思います。

個人的には、VQ1005の代わりに時々持ち歩いてもいいかなぁと思いました(ミニデジに取って代わることはないです(笑))。

2.VQ3007の使用感について

VQ3007の基本操作は、VQ1005とほとんど同じと言ってもいいくらいですが、同じ感覚で持ち歩いて撮影した結果、「5.浅草寺本堂」みたいな写真がたくさん出来ました。。

VQ1005を使ったことがない状態だったのなら、もしかするとこうした悲劇(笑)は起こらなかったかもしれませんが、ちょっと使いにくさを感じました。

そのへんも含め、特に気になったのは、下記の4点です。

  1. 起動後の、シャッターを切る→撮影(記録)完了、という動作がわかりづらい。
  2. ファンダーはやっぱり(笑)使えない。
  3. 電池の減りが激しすぎ。VQ1005よりもひどいっぽい。
  4. 音がうるさい。

1.起動後の、シャッターを切る→撮影(記録)完了、という動作がわかりづらい

VQ3007レビュー1〜外観編」の「シャッターボタン」のところでも書いているのですが、上記写真を撮っているとき、VQ1005と同様に、シャッターボタンを押したタイミングで音が鳴らず、撮影(記録?)完了の時のみ音が鳴っていました。

今現在は、フツーにシャッターボタンを押したタイミングで音が鳴っているので、なぜ鳴らなかったのか謎ですが、、、このため、「5.浅草寺本堂」のように、撮影完了の前に動かしてしまうことが何度もありました。

※未確認ですが、当初シャッターを切った際に音が鳴らなかったのは、eneloop(エネループ)を使っていたからかもしれません。
※満タン状態のアルカリ電池を使うと、自分のVQ3007では、これまでがウソのようにキビキビと撮影出来ました。eneloop(エネループ)を使っていて、かつ、動作のもたつきとか不安定さを感じることがありましたら、一度、1.5Vのアルカリ電池(付属のものとか)をお試しください。

静かなところであれば、仮に撮影完了前に動かしたとしても、その後撮影完了のタイミングで鳴る音が聞こえるので失敗したことがわかるのですが、ほおずき市の最終日で賑わっていたため、全く聞こえなかったのです。

と、いうことは、つまるところ、仮にその時シャッターボタンを押したタイミングで音が鳴っていたとしても、どのみち音が聞こえなかった可能性が高いワケで、やっぱり同じように失敗していたのではないかと。

そういう意味では、音や液晶を確認出来る静かで明るいところ以外では、「シャッターを切る→撮影(記録)完了」という基本動作を、撮影者にきちんと伝えられないカメラだと言えそうです。

※液晶を見れば、撮影(記録?)完了のタイミングはわかります。ただし、液晶が小さい上に、自分のように、胸くらいの位置に構えて撮影していると全く認識出来ません。。これは自分の問題ですが…

とは言え、VQ3007でシビアな撮影をする人はいないと思いますし(笑)、音が鳴って液晶でも確認が出来れば、機能的にはフツーというか、まぁよいのではないでしょうか。

ミニデジも、ジツは当初撮影完了のタイミングがよくわからなかったのですが、、、ミニデジの場合は、暗かろうがうるさかろうが、きちんとそのへんが把握出来ます。もちろん、モニターさえ覗けば、ですが、、、フレーミングをするのにフツーは覗くので、問題はありません。

2.ファンダーはやっぱり(笑)使えない。

VQ3007レビュー1〜外観編」の「ファインダー」のところでも書いていますが、VQ1005同様、やっぱりアテに出来ません。。

パッと見作りがよくなったし、レンズの真上にあるし、VQ1005よりもマシになったような期待を持ちましたが、、、あっさり裏切られました(笑)。

つまり、ビシッと構図を決めての撮影はかなり難しいということです。

ちなみに、動画撮影の場合はもっとひどいです。全くアテにならないというか、アテにしようと思うととんでもないものが撮れます(笑)。


▲ VQ3007で撮った動画。中心にしたかった猫は右の方に…
Sleeping cat (VQ3007)
▲ VQ3007で撮った写真。中心にしたかった猫はやや上の方に…

撮影毎に微妙にズレた可能性はありますが、どちらも、ファインダーを覗き、ファインダー上で猫が中央になるように撮影したものです。

写真の方は、ファインダーが上にある分だけズレて写っているというカンジですが、動画の方は、一体何を撮っているんだ、というカンジです(笑)。中央どころではありません。写真の左上を基準にして切り取っているかのような構図になってます。

と、まぁ、こんな具合です(笑)。

アテには出来ませんが、ファインダーとのズレを計算というか体得出来れば(笑)、そこそこ意図した構図で撮影は出来ると思います。

3.電池の減りが激しすぎ。VQ1005よりもひどいっぽい。

VQ3007レビュー1〜外観編」の「電池」のところでも書いているのですが、もしかするとVQ1005よりも電池の消耗が激しい可能性があります。

VQ1005ではまだ撮影可能な電池をVQ3007にセットしたところ、電池の残量不足の表示になって、スグに電源が切れてしまいました。。

個体差があるのかもしれませんし、きちんと検証したワケではないのですが、VQ1005よりも電池の持ちが良い、ということはない気がします。単4電池で動くのはとてもよい部分なのですが。

※未確認ですが、eneloop(エネループ)を使う場合、動作が不安定になったりする可能性があります。また、自分のVQ3007では、撮影枚数12枚前後で電池残量不足のアラートが鳴り始めます。eneloop(エネループ)を使っている方で、電池の残量が異様に早いと感じたり、動作が不安定だと感じたら、一度1.5Vのアルカリ電池(付属のものとか)をお試し下さい。

4.音がうるさい。

そのまんまですが、、、「VQ3007レビュー1〜外観編」の「電源ボタン」や「電池」のところでも書きましたが、VQ1005よりも音が派手になり、かなりうるさいです(笑)。

でも、人混みの中とかでは聞こえないので使えないというか、そのせいで電池の消耗が激しいんじゃないの?みたいなところもあったり。

3.その他の機能・スペックについて

VQ3007では「マクロ/風景モード」の切り替えが出来なくなりましたが、元々あまりマクロは使わないので、今のところは特に不便や不満は感じません。
ミニデジより最短撮影距離は短いカンジがしますし。

解像度は、個人的にはオーバースペック。ノーマル解像度はもっと低くてよいです。

動画撮影は、相変わらず音声が記録できませんし、VQ1005よりも短い時間しか記録できないような印象なので(未検証)、個人的には不要です。

セルフタイマーがあるのは、ミニデジユーザーとしては羨ましいです。あまり使わないですけど。。

連写は今回初めて使ってみましたが、普通に3回連続して撮るのと変わらないのでは?と思うような鈍くさいものでした(笑)。しかも、タイミングがわからなかったのでブレブレ(笑)な上に、異様にどぎつい写真になりました↓

Burst Mode Test 01 (VQ3007)
Burst Mode Test 01 (VQ3007)
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Burst Mode Test 02 (VQ3007)
Burst Mode Test 02 (VQ3007)
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Burst Mode Test 03 (VQ3007)
Burst Mode Test 03 (VQ3007)
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もしかしたら、動画よりもこちらを使う方が面白いかも、なんて思いましたが、そんなことなさそうです(笑)。

その他の機能・スペックについては、いろいろ不要だと思うものはありますが(笑)、特に不満はないです。

VQ3007レビュー総まとめ

VQ3007は、VQ1005とほぼ同様の機能を持ちつつも、カメラらしい(と言うのは語弊がありそうですが)まとまりのあるデザインになり、ハイスペックになりました。

そして、肝心の写りに関しては、全く別のトイデジ(デジタルトイカメラ)であるということがわかりました。

いろいろ使いにくい部分とかありますが、個人的に楽しむトイデジとしてはどうかと言えば、自分は「アリ」だと思っています。

シビアな撮影をするワケではないですし、VQ1005とはまた違った楽しみ方、面白さがあると思いますので。

ちなみに、写真の面白さを気軽に楽しんでもらえるようなプレゼントとして使えるかな、というのが購入した一番の動機なのですが、これに関して言えば、個人的には「No」でした。。

主な理由は、下記の通りです。

  1. 動作が不安定。
    ※個体差の問題かもしれませんが、シャッターボタンを押したときに音が鳴らなかったりしたので。
    ※ただし、これはeneloop(エネループ)が原因の可能性アリ。全てが不安定かどうかはわかりません。
  2. 扱いづらい(使いにくい)。
    ※フツーに撮るだけなら、電源入れてシャッター切ればいいだけですが、ファインダーはアテになりませんし、取説は英語なので。
  3. お金がかかる。
    ※SDカードが付属してないし、電池の消耗が激しすぎて、これではプレゼントした人に申し訳ない。。かといって、自分でそれらを購入してあげると高くつきすぎ。
  4. 価格と性能のバランスが悪い。。
    ※今回、送料とかもろもろ込みで8,000円くらいかかりましたが、それだけの価値を感じてもらえないと思いますし、前述のような諸々の観点から、あまり使ってもらえそうにないかなと。。

自分が想定していた贈り先は写真(カメラ)好きな人ではないので、個人的にはこのような結果を出しましたが、トイカメラマニア(?)みたいな人になら、むしろ喜ばれるかもしれません。

それにしても、残念なのは、VQ1005同様、日本での流通量が極めて少ないことです。
これだけ日本で写真そのものやトイカメラがブームなのですから、メーカーがもっと日本市場を重視してくれてもいいと思うのですが。

日本で大人気のVQ1005にしても、海外のAmazonのレビューでは評価低すぎですもの(笑)。