14の夕べ / 14 EVENINGS@MOMAT

Taken with a Rolleiflex MiniDigi & Rolleiflex MiniDigi AF5.0

【画像】スタジオ・ムンバイがデザインし、施工中の「夏の家」と月

東京国立近代美術館の60周年事業の一つとして行われた「14の夕べ」。

上の写真は、開催期間中に前庭に建てられた、インドのスタジオ・ムンバイによる「夏の家」で、この時は絶賛施工中だったのですが、ちょうど満月っぽい月がイイカンジだったので一緒に撮りました。

ちなみに、「14の夕べ」には↓のような意味が込められていたそうで、

「未来派の夕べ」や「ダダの夕べ」、「9つの夕べ-シアターとエンジニアリング」など、美術における伝説的なイベントはいつも、「夕べ」におこなわれてきました。

ちょっとした豆知識的な要素も含みつつ(自分だけ?)、
そのコンセプト通り、とにかく贅沢なイベントで、
出来れば14日間全て行きたかったのですが、
とりあえず、まずは2日目、何とか都合を付けて参加してきました。

東京国立近代美術館に入ってすぐにある案内板

▼エントランスには、飲食できる『BEER MOMAT』もオープン
期間中、限定オープンした『BEER MOMAT』

開演時間ギリギリだった上に並んでたので、泣く泣くスルー。

▼イベント会場になった企画展ギャラリー
会場となった、東京国立近代美術館の企画展ギャラリー

▼ギリギリだったのですが、何とか正面の席に座れました。。
会場となった、東京国立近代美術館の企画展ギャラリーの様子

この日は出演者に谷川俊太郎さんの名も連なっていたせいか、
立ち見の人もいるほど盛況でした。

開演中は、当然ながら撮影禁止なので、、、
会場で配布されていてイベントプログラムから内容をちょっとご紹介します。

1.福永信さん

▼福永信さんのプロフィールとスコアが載ったカード
福永信さんのプロフィールとスコアが載ったカード

福永信さんの朗読パフォーマンスでは、
福永信さんご自身ではなく、
女優の松本花奈さんがマイクを使わずに朗読。

後ろの方だったので表情とか細かい動きとか全くわからなかったのですが、
じっと座って朗読するのではなく、ステージ内を時折動きながらの朗読でした。

今回の朗読はセリフ以外の部分も多かったので、
女優さんにとっては難しい部分も多々あったのかなぁと思いつつ、
よく見えなかったので時折目を閉じて聴いたりもしてたのですが、
ラジオでたまに耳にする朗読(劇?)みたいで、
効果音とかはないものの、臨場感もあり、
情景を思い浮かべながら聴けて面白かったです。

ちなみに、松本さんは裸足(!)で朗読されてたのですが、
動く際の足音を出したくなかったのでしょうか。
ゼンゼン違う理由かもしれませんが、、、
そういうこだわりみたいなものも、
何だか妙に感心してしまいました。

2.古川日出男さん

▼古川日出男さんのプロフィールとスコアが載ったカード
古川日出男さんのプロフィールとスコアが載ったカード

古川日出男さんの朗読パフォーマンスはご本人によるものでしたが、
いきなりセットによじ登り始めて「なんだなんだ」と思い、
始まったら始まったで、ラジカセから流れる音声と
凄まじいスピードで掛け合いしながらの朗読が展開されてビックリ。

▼ご本人の後方上部にあるラジカセから音声が出る演出
古川日出男さんのスコア

一瞬でも間が空いたら(タイミングがずれたら)成り立たないであろう、
とても緊張感のある朗読でした。
一人とは言え、何度も練習しないとうまくいかなさそうな、
素人目にも難しそうなパフォーマンスでした。

また、後方の上部にラジカセを置いたのも、
聞こえ方とかいろいろ計算があってのことなんだろうなぁと、
非常に興味深かったです。

ただ、音声が悪く、スピードも速かったため、
聴き取れない部分が多くて正直内容はよくわかりませんでした・・・
自分だけかもしれませんが。。

コンセプトとか概要等の情報をもう少しちゃんと知った上で
もう一度聴きたかったパフォーマンスでした。

3.谷川俊太郎さん

▼谷川俊太郎さんのプロフィールとスコアが載ったカード
谷川俊太郎さんのプロフィールとスコアが載ったカード

谷川俊太郎さんは、やっぱり教科書にも載ってる方ですし、
自分的にも一番楽しみにしていたところですが、
内容的にはパフォーマンスというより講演会という感じで、
随所に笑いと詩の朗読がちりばめられた楽しい一時でした。

失礼ながら、自分がイメージしていた人物像とは全く違いましたが(笑)
たくさんの講演をこなしていらっしゃるようで、場の雰囲気作りもお上手。

教科書に載っている方ですから、
やっぱり講演会なんかでも聴衆が構えてしまうそうです。

なんて話も交えつつ、
古川さんのところで音が悪かったことも考慮して音を調整してもらったり、
緊張感のあった古川さんのパフォーマンスから一転して和やかに、
そして詩の朗読を挟みながら、テンポ良く進んでいきました。

個人的に、感性任せのアート(表現)よりも、
どういうコンセプトでどう伝えるのか(何を考えそれをどう表現するのか)、
という点にとても興味があるので、谷川さんが一体どんなことを考えて
詩を書いているのか(言葉を選んでいるのか、とか)すごく興味があったのですが、
近年は日本語特有の音感、語感の面白さみたいなところに着目し、
深い意味とか何かを伝えるとか難しいことではなく
「ナンセンスも大事」みたいなお話がとても印象的でした。

▼谷川さんのスコアに書かれた詩も「のののの」とか独特な言い回しが
語感・音感に着目したであろう谷川さんの詩

最後はアンコールのような形で詩の朗読もありましたが、
もっともっといろいろ話を聴きたかったなぁと思ったのは
自分だけではなかったみたいです。

ちなみに、上記で中身をご紹介していますが、
「14の夕べ」のイベントプログラムは、デザインも凝っててステキです。

ミニデジ(MiniDigi)+クローズアップレンズで撮影した「14の夕べ」のプログラムのシール部分

▼風呂敷みたいになってて、開くとカード状になった各プログラムが出てきます
ミニデジ(MiniDigi)AF5.0で撮影した「14の夕べ」のプログラムミニデジ(MiniDigi)AF5.0で撮影した「14の夕べ」のプログラム2
ミニデジ(MiniDigi)AF5.0で撮影した「14の夕べ」のプログラム3ミニデジ(MiniDigi)AF5.0で撮影した「14の夕べ」のプログラム4

改装中の東京国立近代美術館で行われたこの贅沢な企画。
現代アートとかパフォーマンス・アートには全く詳しくないのですが、
各ジャンルの第一線で活躍する方々のパフォーマンスが間近で見られる機会だったので、
ホント、毎日行きたかったです。


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