無声映画を弁士の語りと生伴奏で(シネマの冒険 闇と音楽 2011)

Taken with a Rolleiflex MiniDigi

【画像】東京国立近代美術館正面の「シネマの冒険 闇と音楽 2011」のポスター

京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターで催されていた「シネマの冒険 闇と音楽 2011」に行ってきました。

企画上映として館内の大ホールで幾つかの無声映画(サイレント映画)を上映するのですが、各日2回目の上映作品については、何と弁士の語りや生伴奏がつくのです。

無声映画をちゃんと観るのはもちろん、
弁士の語りや生伴奏付きなんて未体験だったので、
本当は無声映画のみも含めて全部観たかったのですが、、、
何とか時間を作れたので最終日の「鉄路の白薔薇」という作品を観ました。

全く知らなかったのですが、、、
「無声映画芸術の金字塔」とか「世界映画史に最も大きな影響を与えた一本」
などと書かれていたりもする作品なのです。

▼「シネマの冒険 闇と音楽 2011」チラシ表面と裏面の作品紹介
【画像】「シネマの冒険 闇と音楽 2011」チラシ表面【画像】「シネマの冒険 闇と音楽 2011」チラシ裏面の「鉄路の白薔薇」の説明書き

以下、チラシ中の解説文。

鉄路の白薔薇
LA ROUE

(160分・20fps・35mm・無声・白黒)

列車事故で孤児となった少女を引き取り、やがて美しく成長した娘に恋心を抱くようになった老機関士の悲劇。「黒 の交響曲」/「白の交響曲」の2部からなるアベル・ガンスの大作映画で、断片的なショットをめまぐるしく変化させる「フラッシュ」の技法も話題を呼んだ。日本の黒澤明を含め世界映画史に大きな影響を与えた1本として知られる。

正直、「世界映画史に大きな影響を与えた」なんて書いてあっても、
過剰な演出に慣れきった感覚で観たら、
すごく退屈なんじゃないかと思ったのですが(しかも約3時間!)、
思ったより映像に単調さがなかったですし、
主役の俳優さんのちょっと狂気じみた演技とか驚く部分もあり、
そして何よりもストーリーがしっかりあるので、
意外なほど引き込まれて観ていました。

これ、当時どうやって撮ってるんだろう、
どう編集してるんだろう、なんてことも考えたりしつつ。

とは言え、3時間近い長編だったこともあり、
弁士さんの語りやピアノの生伴奏なしだと辛かったなとは思います。。

その弁士、恥ずかしながら、弁士って紙芝居みたいなものと一緒に話すイメージがあったのですが、
それはまた講談師とか別物で、、、そもそも無声映画の解説者だったらしいです。

輸入品のキネトスコープは日本人にとっては全く未知の装置であり、またフィルムもたいへん短いものであったため、映画を興行として成り立たせるためには、機械の説明をして、場を盛り上げる説明者が必要だった。(Wikipedia

このへんとか読むと、弁士の番付なんてものもあったらしいのですが、
今回の体験でその理由が少しわかったような気がします。

あと、驚いたというか感心したのが、ピアノの伴奏です。
途中休憩15分あったものの、それ以外ではほぼ弾きっぱなし状態で、、、
かといって、ずっと単調なものが続くというわけでもなく、
逆に過剰な演出になったり映画の邪魔になるようなこともなく、
たまに伴奏がない状態になると集中して見入ってしまうところだったり、
よく考えられているなぁと。

いろいろ思うところがあって書き足りないのですが(笑)、
表現とは?演出とは?というのも考えさせられる非常に良い機会でした。
俳優さんや芸人さんで一人舞台をやってる方もいますが、
そういう方々の気持ちも少しわかったような気がします。

来年もまたやるなら行きたいなぁと思います。
映画好きな方はもちろん、映像とか演出とか、
表現に関わるお仕事されている方とかはゼヒ一度。
オススメです。

で、新しいミニデジくんの屋外デビューも兼ねていたので、
ここからは当日の雰囲気を含めて幾つか写真をご紹介します。

▼入場前の行列。入口付近の行列を見たときは焦りました・・・
【画像】入場前の行列1【画像】入場前の行列2

上映40分くらい前に着いたのですが、
すでに地下まで行列が延びている状態でした。。
もしかしたら、入れなかった人もいたかもしれません。。

▼上映された2階の大ホール
【画像】上映された大ホール

この写真じゃわからないと思いますが、、、
スクリーン前の右横にピアノ、左横に弁士さんという配置でした。
撮影禁止なので上映中の写真はありません。

▼上映終了後の東京国立近代美術館正面入口
【画像】上映終了後の東京国立近代美術館正面入口

19時頃に終わったので、既に暗くなってました。
その後、時間がなかったのですが、せっかくなので銀座を歩き抜けて帰りました。
相変わらず暗くて人が少ない銀座でした。。

▼夜の銀座中央通り
【画像】夜の銀座中央通り

▼中央通りで唯一行列が出来てた「アサヒスーパードライ エクストラコールドBAR」
【画像】行列が出来てた「アサヒスーパードライ エクストラコールドBAR」

▼シャネルの壁面映像
【画像】銀座シャネルの壁面映像

上の写真はゼンゼン違う箇所ですが、、、
今まで見たことがない切り絵調のファンタジーな映像があって
ちょっと目を惹きました。

▼アップルストアは相変わらず盛況でした
【画像】MacBookが吊されている銀座アップルストアのディスプレー

▼お約束、銀座和光の時計台
【画像】夜の銀座和光・服部時計台

新しいミニデジくん、ちょっとノイズが多い気がしてますが、
気のせいかなぁ・・・


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